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会社を辞めないという選択 会社員として戦略的に生きていく 奥田 浩美

「大きな組織の中で自分を活かしきることなく終わるくらいなら、飛び出してやる!」と思ってませんか? 自分の持つ強みを活かして、会社員として大きな仕事をなしとげる方法、会社にいるという選択がもたらすメリットを解説した良書を、IT分野のカンファレンスやプライベートショーのプロデュースなどを手がける株式会社ウィズグループの代表取締役社長、奥田浩美さんが送ります。

これまで3度の起業を経験し、数多くの企業のスタートアップ支援にも携わってきた彼女だからこそ、「会社に残るという選択肢」のメリットを、説得力をもって語ることができるのだと思います。自分自身を一つの企業として考える、起業家思考になることで、会社の中で戦略的に生きていくことができると語ります。

また、会社という資源を、会社のビジョンにのっとって有効活用すれば、社会を大きく変えることも可能になるという話が続きます。このような話を端緒に、個人を活かすチーム作りや、近年変化が起こっているとされている会話様式の変化を踏まえた、効果的なコミュニケーション方法について述べています。

本書の特徴は、ビジネスマインドの解説だけではありません。著者の豊かな経験に基づき、現代社会が抱える問題点とその後のビジネスチャンスについて解説しています。彼女は、情報格差が広がりすぎていると考えています。

本当の意味でのモバイルワークを実現するためには、ほとんどStand aloneな状態である老人たちを、うまく情報ネットワークの中に導いていくことが必要であると考えているそうです。

この新規事業のために、粉骨砕身する彼女のエピソードも述べられており、その点だけでも一度読んでみる価値はあると思います。最後にこの本を簡単にまとめると、キーワードは、「共創」と「オープンイノベーション」になるのだと思います。この2つのキーワードを、著者が明確にかたるわけではありません。

ですが、組織の中にあって、様々な人とコラボレーションを志向し、さまざまな事業に挑戦しようとする姿は、まさにこの2つの言葉に集約されると思います。

この一見とっつきにくいビジネス用語の具体的な実践方法を、この本一冊で感得することができる、そんな一冊です。

イノベーションのプロセスの過程が理解できる

著者の考える、近年のイノベーションのプロセスが明確にされ、一冊読み終わると実感をもって、その過程が理解できる本です。

社会のどこかに疑問をもつ。あるいは困っている人を見つける

これは、みなさんにとっておなじみの「ニーズを探す」という行為です。特に、著者が地方や老人への情報格差に着目していることが興味深かったです。地方創成の追い風もあるので、私はこの近辺の事業に注目するようになりました。

自分自身のやりたいことを見出す

自分のやりたいことを見つけ出すことと、行動に一貫性を持たせることができるため、何事も成功しやすくなります。

自分が気にしていること気にしていないことをまとめて「ビジョン」をつくる

新しいものを作るためには、自分が持たない視点をもった人をグループに招くことが大切です。このレベルなら、一般的によく言われている話です。この本では、自分が持たない視点をもつ人とは、「自分とは合わない人」であると踏み込んで話を進めています。このより具体的な視点が、非常にわかりやすいです。これからの時代には、「共感」が必要だと著者は語っています。トラブルがあったとき、上から目線で怒って片付く時代はおわりました。厳しい市場の中で、皆がよりそって戦うことが大切になるのです。

同じ志を持った人が集まり、次にやりたいことも見えてくる

同じ志を持った仲間がいると、お互いに無い部分を補うことが出来たり、刺激を受け成長しやすい環境を作ることが出来ます。

今は、金にならなくてもどんどん取り組む

著者が、安く事業を進めるための工夫や検討を具体的に述べていました。地方都市には、地方自治体が作ったハコものが少なくなく、これらの値段が大変下がっているそうで、これを使って節約する方法が解説されていました。

加えて、著者は、新規事業の黒字化には、3年スパンで臨むべきだと考えているそうです。この3年の間に、ビジネスの大本の目的自体が変化してしまうこともあるらしいのですが、この柔軟さが事業継続の秘訣なのだそうです。

失敗はつきもの。トライアンドエラーが大事

新規事業を行うにあたっては、かならず「仮説」が混ざっているものです。この仮説がある限り、100%の成功はありえません。たゆまぬ努力が結果を生み出す源となるのです。

現実を受け止める

自分が今こかれている環境や状況を理解することで、相手の立場を知ることもできるため、次の行動を起こしやすくなります。

もういちど自分の仕事が、社会に与えるインパクトを考える

このように、イノベーションのステップごとに解説がされ、それぞれの具体的な例がちりばめられている形になります。

同時に、この本を読んでから、私は「自分にかかるコスト」というものを、もう一度考え直すようになりました。会社は、私に支払う3倍のコストをかけているというのです。

この事実を踏まえると、急に自分がどのくらい稼いでいるのかが気になるようになりました。働くことへのモチベーションが、激増することうけあいです。

転職しようとしている人におすすめ

まず、自分の真価が発揮できないという理由で転職しようとしている人におすすめです。

自分を企業の中で生かすために必要な努力は十分でしたか?現在所属している会社という資源を捨ててしまってもかまわないのでしょうか?この著作で振り返ることが、可能になると思います。

会社に所属しているほうが、様々な人とつながりやすく、より大きく社会を変えられる可能性がありますし、そもそも組織内での自分の行動が、自分の長所を生かすことと会社のビジョンを守ることの2つを両立させるものになっていたのでしょうか?

このような振り返りを通じて、転職先でも幸せがつかめると思いますし、今いるところの価値を再発見できるかもしれません。

次に、自分の真価を発揮するために会社を飛び出していった同僚を、羨望のまなざしで見つめている人にもおすすめです。その同僚が幸せそうに見えるなら、自分も会社の中に残って、自分の仕事人生という「事業」を展開するというスリリングな体験をしてみませんか?

必要な、起業家精神とは何か?や組織の中で自己実現する方法について、この本では具体的に説明しています。

つまらないと思っているあなたの会社に隠れた価値を見出す契機になると思います。

 

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会社を辞めないという選択 会社員として戦略的に生きていく

会社を辞めないという選択 会社員として戦略的に生きていく